賃貸住宅を探すコツ⑥ ~連帯保証人
賃貸住宅への入居時に必要となるのが、連帯保証人です。連帯保証人とは、債務者、つまり賃貸住宅では家賃などの支払い義務を負っている契約者本人が支払いを何らかの理由で怠った場合、債務者の代わりに支払いの義務を負う人のことになります。 また、「保証人」と「連帯保証人」では、義務を負う範囲が異なり、連帯保証人の方が負担する義務が重くなります。その違いを少し整理すると、以下のようになります。
(1)債権者(賃貸住宅では貸主)が賃料等の請求を保証人または連帯保証人にしてきた場合。 「保証人」は「先に債務者(契約者)に請求してください」と主張できます(これを「催告の抗弁権」といいます)が、「連帯保証人」はこうした主張をすることができません。
(2)債務者(契約者)が支払う能力があるにもかかわらず支払いを拒んだ場合。 「保証人」は、契約者に支払い能力があることを理由に、貸主に対して契約者の財産から強制的にでも取るよう主張できますが(これを「検索の抗弁権」といいます)、「連帯保証人」はこうした主張はできず、契約者が支払える能力がある場合でも連帯保証人が貸主に賃料等を支払わなければなりません。
(3)もし、連帯保証人が複数いる場合(例、AとBの二人)。 「保証人」は支払うべき金額を保証人の人数で割った分(例、Aは半分まで、Bも半分まで)だけを支払えばよいことになりますが、「連帯保証人」はたとえ請求が1人に対して行われても、その人1人が全額(例、BがいてもAに請求があれば、Aが全額)を支払わなければなりません。
以上のように「保証人」に比べて「連帯保証人」は責任が重く、賃貸住宅を貸す側からすると「連帯保証人」の方が安心できるため、現在では賃貸借契約に際して「保証人」ではなく「連帯保証人」を必須としている場合がほとんどです。
しかも、最近は、賃貸借契約の際、「連帯保証人」としては“親族しか認めない”ことが多くなっています。その理由として、実際に家賃の滞納などがあったとき、連帯保証人が身内であれば、仕方がないと支払ってくれることが多いのですが、他人の場合、「何で私が支払わなければならないんだ、契約者から取れ」といって支払ってくれないことが多く、後々面倒なことになるからです。(前述のとおり、法律上、連帯保証人には“催告の抗弁権”がないので、こうした主張は通りませんが、面倒なことは間違いありません。)
このように「連帯保証人」は、最悪、賃貸住宅に住んでもいないのに、家賃等の支払いの義務だけを負うことになってしまいます。そのため、親子や兄弟姉妹といった血縁関係者でも連帯保証人にはなりたくないというケースもあります。
賃貸住宅を探してやっと気に入った物件があっても、連帯保証人になってくれる人がいないと入居の審査に通らず、結局、その住宅に入居することはできなくなります。そこで、気に入った物件が「連帯保証人必須」という条件であった場合には、すぐに親や兄弟姉妹に連帯保証人になってもらえるか相談するようにしましょう。 連帯保証人が立てられず、審査が通らないというケースは割とよくありますから、賃貸住宅を探し始めたらすぐに連帯保証人について相談してもいいかもしれません。
余談ですが、仲介業をしていると、連帯保証人の了解が取れないからか、勝手に親御さんの名前を書類に書いたり、中には実印や印鑑証明を親に黙って取って来て提出する人もいるのですが、不動産会社は電話などで連帯保証人の本人確認をしますので、結局ばれてしまいます。虚偽などがわかった時点で、審査NGとなりますし、身内とは言え、責任が重い連帯保証人を本人にだまってなってもらうのは、絶対に止めた方がいいですね。
次回は、連帯保証人の話題と関係の深い“保証会社”のお話をします。
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