賃貸住宅を探すコツ⑬ ~ガスの種類
賃貸住宅を探す際、都市ガスとプロパンガスの違いに気を付けている人は少ないですが、意外と注意しておいた方がいいので、今回はガスの種類についてお話します。
ガスの種類とその違い
まずガスの種類ですが、「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類があります。プロパンガスは、LPガスとも言われますが、その違いについて説明しましょう。
1)成分の違い
都市ガスとプロパン(LP)ガスは成分と原料が違います。都市ガスは、メタンが主成分で、天然ガスが主な原料。一方、プロパン(LP)ガスは、名前の由来でもあるプロパンやブタンが主成分で液化石油ガスを原料としています。ちなみに、LPとは、液化石油ガスの(liquefied petroleum gas)略です。 また、成分の違いから都市ガスとプロパンガスではガスそのものの重さも異なり、都市ガスは空気より軽く、プロパン(LP)ガスは空気より重くなります。そのため、都市ガスのガス警報器は壁の高い位置や天井にあり、プロパン(LP)ガスのガス警報器は床に近い低い位置に設置されています。
2)熱量の違い
都市ガスとプロパン(LP)ガスは、その主成分の違いによって熱量が違ってきます。プロパン(LP)ガスの主成分であるプロパンやブタンは熱量が高く、プロパンガス(LPガス)の熱量(カロリー)は約24,000Kcal/㎥で、一方の都市ガスの熱量(カロリー)は約11,000Kcal/㎥で、プロパンガスは都市ガスのおよそ2倍以上あります。
ただし、熱量と火力は違うもので、火力は使用するガス機器によって決まります。もし、同じ火力のガス機器であれば、プロパンガスでも都市ガスでも火力は同じになります。
ここで最も注意したいのが、都市ガスとプロパンガスは原料が違い、熱量も異なるため同じガス器具は使用できないということ。引越しなどで、都市ガスからプロパンガス、逆にプロパンガスから都市ガスに変更となる時は、ガス機器も変更しなければなりません。
3)供給方法の違い
都市ガスとプロパン(LP)ガスのわかりやすい違いは、ガスボンベが建物の横などにあるかないかでしょう。都市ガスは、水道と同じように地面の下にあるガス管を通して各家庭に供給され、プロパンガス(LP)ガスは、液化されたLPガスを容器(ボンベ)に充てんし、そのガスボンベを建物横などに設置してガスが供給されます。容器内のガスはいずれなくなってしまうので、プロパンガスはガス会社によって定期的に交換されます。
プロパンガス(LP)ガスは、ガスボンベを使用しているのでなんとなく危険なイメージがありますが、マイコンメーターや警報機などの安全装置が付いているので、安全性や事故件数は都市ガスと変わりません。
ちなみに、都市ガスという呼称の由来ですが、都市ガスはガス管を通して供給するため、ガス管をあらかじめ敷設しなければなりませんが、人口がある程度密集した地域でないと、ガス管を引いても初期投資を回収できません。そのため、主に都市部での提供、使用となるため、都市ガスと呼ばれています。
4)料金の違い
都市ガスとプロパン(LP)ガスでは、料金の設定に違いがあり、そのため料金も異なります。福島の原子力発電事故の補償問題で東京電力の負担に対する話題でも取り上げられましたが、都市ガスの料金も大手電力会社の料金と同じく、全てのコストに利益を加える「総括原価方式」という方式で料金が決められており、政府の認可が必要な「規制料金」となっています。2017年より都市ガスの料金も自由化されましたが、参入障壁が高く市場に参加する企業が少ないため、規制料金がそのまま残っているケースが多いようです。
一方、プロパンガス(LP)ガスの料金は、「自由料金」です。料金設定に関して規制はなく、プロパンガスの販売会社が仕入れや人件費などの原価と利益を考えて自由に料金を設定しています。そのため、同じ地域でもプロパンガス会社によって、同じプロパンガス会社でも地域によって料金が異なっています。
なお、一般的にプロパンガスの方が都市ガスに比べてガス料金が高い傾向があります。これはプロパンガスの供給にあたって人件費がかかることやガス料金が自由料金であるためです。ただ、気に入った物件がプロパンガスであれば、都市ガスに変更することもできません。そこで、毎月のガス代などのコストを抑えたい方は、初めから都市ガスを希望の条件に設定しておく必要があります。
細かいことですが、入居後にこうした点に気づいて苦労する方もいるので、気になる方ははじめから検討項目にしておくといいでしょう。
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